どうも。元ビジフォン販売員のTOTO(@hikakora_toto)です。
通信量が無制限に使えるポケットWiFiには、「WiMAX」を使うものと「LTE」を使うものがあります。
WiMAXとLTEという名前は聞いたことあるけど、それぞれの特徴や違いまでは分かっていない人も多いはずです。

そこで今回の記事でWiMAXとLTEの違いについて4つの項目に分けて詳しく解説をしていきます。
- 使っている電波の周波数帯
- 対応エリア
- 対応機種
- 提供キャリア
記事をざっとみる
WiMAX(ワイマックス)とは
WiMAXは、auと同じKDDIグループの「UQコミュニケーションズ」が所有している通信回線のことです。
UQコミュニケーションズがWiMAX方式による通信サービスを「UQ WiMAX」(サービス名称)として「持ち運びが出来る無線のインターネット回線」を提供しています
ただし最近は、WiMAX回線を使ったポケットWiFiサービスのことをWiMAXと総称することも多くなっています。
回線事業者であるUQコミュニケーションズ(UQWiMAX)以外にも約20の事業者がプロバイダとしてWiMAXのポケットWiFiサービスを提供しています。

WiMAXとは「Worldwide Interoperability for Microwave Access」の頭文字を取ったもの
WiMAX:通信方式の名称
UQ WiMAX:サービスの名称
UQコミュニケーションズから設備を借り受けてWiMAXを使った通信サービスを提供
主要WiMAXプロバイダー7社
- BroadWiMAX
- GMOとくとくBB
- カシモWiMAX
- DTI WiMAX 2+
- Smafi WiMAX
- So-net モバイル WiMAX 2+
- BIGLOBE WiMAX 2+
LTEとは
LTEは、アナログ(1G)・デジタル(2G)・3Gに続く第4世代(4G)のモバイル通信規格のことです。
ただし最近は、スマホやポケットWiFiで使われる高速通信のモバイル回線のことを「LTE回線」と呼ぶことが一般的です。
格安SIMを中心にLTEを使ったスマホやポケットWiFiのサービスが増えていますが、自社でLTEの回線を持っているのはドコモ、au、ソフトバンク、楽天の4社だけです。
それ以外の事業者は全て、この4社のいずれかからLTEの回線を借りて「ポケットWiFi」サービスを行っているんですね。
サービス名 | 運営企業 |
縛りなしWiFi | フォン・ジャパン株式会社 |
ギガゴリWiFi | GMOインターネット |
Mugen WiFi | 株式会社surfave |
限界突破WiFi | エックスモバイル株式会社 |
よくばりWiFi | 株式会社エクスゲート |
めっちゃWiFi | スマートモバイルコミュニケーションズ株式会社 |
NEXTmobile | 株式会社 グッド・ラック |
どんなときもWiFi | 株式会社 グッド・ラック |
最安値保証WiFi | 株式会社スペースエージェント |
FUJI WiFi | 株式会社レグルス |
クラウドWi-Fi | 株式会社ニッチカンパニー |
SPACE WiFi | 株式会社スペースエージェント |
NOZOMI WiFi | 株式会社フェティア |
それがだいじWi-Fi | ソリューションネットワーク株式会社 |

ポケットWiFiとは
ポケットWiFiとは持ち運びができるWiFiルーターの端末や仕組みのことです。
同じ言葉で「Pocket WiFi」がありますが、これはソフトバンクの登録商標で「Pocket WiFi」という商品名のモバイルタイプのWiFiです。
ソフトバンクの商標登録がこれ↓
出典:SoftBank
WiMAXとLTEの違いを6項目を比較
WiMAXとLTEの大きな違いとしては
①電周波数帯の違い
②対応エリア
③対応機種
④提供キャリア
⑤通信速度の違い
⑥速度制限の違い
などが挙げられます。
これらの違いがポケットWiFiの使い勝手を大きく分けますから、違いを理解しておくと自分に合ったポケットWiFi選びができるようになりますよ。
①周波数帯の違い
まず電波の周波数帯の違いですが、WiMAXでは「2.5GHz」という周波数帯を使っています。
それに対してLTEで使われている周波数帯は、キャリアによって多少違うものの、700MHzから2.1GHzの複数の周波数帯を使っています。
回線 | 周波数帯 |
WiMAX | 2.5GHz帯 |
LTE | 1,5GHz |
1.7GHz | |
2GHz | |
700GHz | |
800MHz | |
900MHz |
事業者 | 700MHz帯 FDD | 800MHz帯 FDD | 900MHz帯 FDD | 1.5GHz帯 FDD | 1.7GHz帯 FDD | 2GHz帯 FDD | 2.5GHz帯 TDD | 3.4GHz帯 TDD | 3.5GHz帯 TDD | 合計 |
ドコモ | 20MHz | 30MHz | - | 30MHz | 40MHz 東名阪 | 40MHz | - | 40MHz | 40MHz | 240MHz |
au | 20MHz | 30MHz | - | 20MHz | 40MHz | 40MHz | - | - | 40MHz | 190MHz |
UQ コミュニケーション | - | - | - | - | - | - | 50MHz 全国BWA | - | - | 50MHz |
ソフトバンク | 20MHz | - | 30MHz | 20MHz | 30MHz | 40MHz | - | 40MHz | 40MHz | 220MHz |
楽天 | - | - | - | - | 40MHz | - | - | - | - | 40MHz |
合計 | 60MHz | 60MHz | 30MHz | 70MHz | 150MHz | 160MHz | 50MHz | 80MHz | 120MHz | 780MHz |
この周波数帯の違いによる影響については後述しますが、単純に使っている周波数帯が多いLTEの方がつながりやすいというのは想像できますね。
LTEは障害物に強く電波がつながりやすい
低い周波数帯を使うLTEは、高い周波数帯を使うWiMAXに比べて障害物の影響を受けにくくなっています。
電波は周波数帯が高いと障害物にぶつかると反射するなど減衰しやすいんですが、周波数帯が低いと障害物をある程度透過して進むことができます。
ですからWiMAXよりも低い周波数帯を使っているLTEは、山間部やビルの谷間、屋内、地下でも電波がつながりやすいんですね。
さらに周波数帯が低いと障害物を回り込んで進むこともできるので、遠くまで電波が届きやすくなります。
なので低い周波数帯を使うLTEは高い周波数帯を使うWiMAXより対応エリアが広いわけです。
回線 | 周波数帯域による特徴 |
WiMAX | 建物などの障害物に弱く電波が届きにくい |
LTE | 建物などの障害物に強く地下や建物内でも電波が届きやすい |
WiMAXを地下鉄でつかうと・・・
東京の地下鉄、都営新宿線の小川町付近でWiMAXを使ったところ電波がつながらずネット接続ができませんでした。
他にも新幹線の新横浜~名古屋間は山間部に入りトンネルも多くWiMAXはつながりが非常に悪いです。

②対応エリアの違い
次に対応エリアの違いですが、WiMAX・LTEともに現在では日本全国でつながるようになっています。
ただ山間部や島しょ部(とうしょぶ)といった比較的人口の少ない地域を中心に、WiMAXはつながらないけどLTEがつながる場所も少なからずあります。
都市部ではWiMAXでもLTEでもつながりますが、都市部から離れるに従ってLTEの方がつながりやすくなるので、WiMAXよりもLTEの方が対応エリアは広いんですね。
回線 | 人工カバー率 | 補足 |
WiMAX | 全国人口カバー率90% | 012年6月末時点での全国主要都市※2における人口カバー率は99%以上、WiMAXをご利用いただける市区町村数は全国1,134市区町村に拡大 |
au、ドコモ、ソフトバンク | 全国人口カバー率99% |
WiMAX(UQ WiMAX)- WiMAX 2+エリア
■WiMAX(UQ WiMAX)エリア確認
http://www.uqwimax.jp/signup/area/
ポケットWiFi(Y!mobile)- AXGPエリア
■ポケットWiFi(Y!mobile)エリア確認
http://www.ymobile.jp/area/select.html
③WiMAXは使える機種が限られている
ドコモやソフトバンクが販売している純正の機種はもちろん、市販されているSIMフリーのポケットWiFi端末はほぼLTEに対応しています。
一方WiMAXが使えるのは、基本的にWiMAXの回線事業者であるUQコミュニケーションズが販売している機種だけです。
ただしWiMAXの端末はLTEにも対応しており、通信モードを切り替えることでauのLTEが使えるようになっています。(事業者によっては使えない場合もある)
LTEの方が機種のバリエーションは多く、WiMAXだと使える機種がかなり限られてしまうんですね。
④WiMAXとLTE料金の違い
気になる料金面での比較です。WiMAXとポケットWiFiとどちらがお得なんでしょう?
価格の安さでいうとLTEのポケットWiFiに軍配がありますね。
ただし、どちらが良いかは使い方によっても変わってきます。
回線 | 事業者 | 月額料金 | 契約期間 | 容量制限 |
LTE | ギガゴリWiFi | 1~12ヶ月 月額3,050円 13ヶ月以降 月額3,500円 | 1年 | なし |
限界突破WiFi | 3,500円 | 2年 | なし | |
最安値保証WiFi | 3,280円 | なし | なし | |
よくばりWiFi | 3,450円 | 2年/なし | なし | |
めっちゃWiFi | 3,480円 | 2年 | なし | |
Mugen WiFi | 3,280円 | 2年 | なし | |
NOZOMI WiFi | 4,480円 | なし | 0時~24時までの利用が10GBを超えると低速モード | |
NEXTmobile | 1~12ヶ月 月額3,100円 13ヶ月以降 月額3,600円 | 2年 | なし | |
どんなときもWiFi | 1~24ヶ月 月額3,480円 25ヶ月以降 月額3,980円 | 2年 | なし | |
縛りなしWiFi(縛りあり) | 2,800円 | 3年 | 2GB/1日 | |
縛りなしWiFi(縛りなし) | 3,300円 | なし | 2GB/1日 | |
WiMAX | BroadWiMAX | 2,726円~4,011円 | 3年 | 3日間で10GB |
GMOとくとくBB | 2,170円~4,263円 | 3年 | 3日間で10GB | |
カシモWiMAX | 1,380円~4,079円 | 3年 | 3日間で10GB | |
BIGLOBE WiMAX 2+ | 3,980円 | 1年 | 3日間で10GB | |
UQ WiMAX | 4,380円 | 3年 | 3日間で10GB |
ポケットWiFi
- WiMAXの電波が届かない地域での利用する人
- 海外でも利用したい人
WiMAX
- サクサク通信を楽しみたい人
- auスマホ/auケータイ利用中の人
⑤通信速度の違い
高い周波数帯を使っているWiMAXは、つながりやすさや対応エリアの広さではLTEに少し劣りますが、通信速度ではLTEを上回ります。
電波にはもう1つ、周波数帯が高くなるほど扱えるデータ量が増えるという特徴があります。
要するに周波数帯が高いほど通信速度が速くなるってことですから、LTEよりもWiMAXの方が通信速度が速いんですね。
機種によって多少違いはありますが、WiMAXの最大通信速度は光回線並の1Gbps超なのに対して、LTEの最大通信速度は150Mbps程度です。
ドコモなどのキャリアは3.5GHzというWiMAXよりも高い周波数帯を使うことで、LTEの通信速度を最大1Gbps前後まで引き上げています。
しかし3.5GHzの周波数帯はWiMAXよりもつながりにくく、対応エリアも狭いですから、LTEでつながりやすさを重視すると通信速度は最大150Mbpsになってしまいます。
最大通信速度が速い方が実測値も速くなりますから、LTEよりもWiMAXの方が通信速度が速い可能性が高いわけです。
⑥速度制限の違い
WiMAXはほとんどの事業者で、LTEも一部の事業者では通信量無制限で使えるようになっています。
しかしいずれも通信量無制限ではありますが「使い放題」ではなく、速度制限が設けられているケースがあります。
なのでWiMAXのポケットWiFiでもLTEのポケットWiFiでも、使い方次第では通信量無制限なのに速度制限を受けることも十分に考えられるんですね。
WiMAX「ギガ放題」の3日間で10GBとは?
WiMAXの無制限である「ギガ放題」には、3日間で10GBという制限が設けられています。
これは直近3日間の合計通信量が10GBを超えると、翌日の18時頃から翌2時頃まで通信速度が大幅に制限されるものです。
WiMAXの速度制限は18時以降の夜間のみで、昼間は3日間10GBの速度制限を受けていても通常通りの通信速度が出ます。
また速度制限中の18時頃から翌2時頃の間も1Mbps程度出るようになっており、SNSはもちろん、画質を落とせば動画も見ることは可能です。
なので動画を見る場合はちょっと不便ですが、SNSを使うぐらいであればWiMAXで3日間の速度制限を受けていてもほとんど影響はありませんよ。
速度制限がかかるご利用データ量 | 直近3日間で10GB以上(「WiMAX 2+」と「au 4G LTE」のデータ量の合計) |
制限時間 | 3日間で10GBを超えた日の翌日のネットワーク混雑時間帯※1 (18時頃~翌2時頃※2) |
制限後の最大通信速度 | 概ね1Mbps※3(YouTube動画の標準画質レベルが視聴可能な速度) |
10GBの目安ってどのくらい?
実際のデータ量と一致するわけではありませんがパソコンで10GBの目安は以下のようになります。
データ量 | 10Gで出来る回数 | |
YouTube(超高画質) | 約110MB | 約88回(約7時間) |
YouTube(高画質HD) | 約50MB | 約200回(約16時間) |
YouTube(標準画質SD) | 約17.5MB | 約570回(約47時間) |
YouTube(低画質) | 約10MB | 約1000回(約83時間) |

LTEの無制限は本当に無制限なのか?
LTEのポケットWiFiの中には、月間通信量無制限で、WiMAXのような3日間の通信量にも制限が設けられていないものがあります。
しかし月間・3日間の通信量に制限を設けていないLTEのポケットWiFiの利用規約には、「著しくネットワークを占有するレベルの大容量通信を行った場合」に速度制限を実施する旨のことが書かれています。
どのぐらいの期間でどのぐらいの通信量を使ったら、この著しくネットワークを占有するレベルと見なされるのかハッキリとは分かりません。
またLTEのポケットWiFiで速度制限を受けた場合は、通信速度が128~384Kbps程度しか出ません。
128Kbpsはガラケー並の通信速度ですから、動画はもちろん見られませんし、SNSすら使うのが厳しくなってしまいます。
なので、月間・3日間の通信量に制限が設けられていないからと言って、LTEの方がWiMAXよりも制限が緩いとは言えないんですね。
WiMAXがおすすめな人
都市部に住んでいて、ポケットWiFiに通信速度の速さを求めるのであれば、LTEよりもWiMAXのポケットWiFiがおすすめです。
田舎と言われるような地域だとWiMAXにはつながりやすさの問題がありますが、都市部であればWiMAXのつながりやすさに問題ありません。
つながりさえすればWiMAXの通信速度は速いですから、よりインターネットが快適に使えます。
またWiMAXは制限時でも通信速度が1Mbps程度出るので、ベビーユーザーと見なされるぐらいの使い方をする人にもWiMAXがおすすめですね。
LTEがおすすめな人
つながりやすさと料金の安さを重視するのであれば、WiMAXよりもLTEのポケットWiFiがおすすめです。
都市部では大差ないものの、山間部など田舎と言われる地域ではWiMAXよりLTEの方が断然つながりやすいです。
またWiMAXの無制限プランの料金は月4,000円前後ですが、LTEの無制限プランを月3,500円前後で提供している事業者もあります。
また事業者によっては無制限プラン以外にも、20GB・30GBなど月間通信量に上限のあるプランが用意されています。
WiMAXは無制限プラン以外は月間7GBのプランだけなので、無制限までは要らないけど月10GB以上は使うという人にもLTEのポケットWiFiはおすすめですよ。
まとめ
WiMAXとLTEの違いについて説明しましたが、ポケットWiFiとしてどちらが優れているとは言えません。
しかしWiMAXにはLTEに無い、LTEにはWiMAXに無い長所があり、それぞれ適した使い方があります。
なのでポケットWiFiを選ぶ際には、まず自分がどういったインターネットの使い方をしているのかを考えましょう。
自分の使い方が分かれば、WiMAXなのかLTEなのか、おのずとどちらが適しているのかが見えてくるはずですよ。